※ お子様が逮捕されている場合は、手続の流れや保護者の方の対応が異なります。詳しくは「お子様が逮捕されてしまったら」のページをご覧ください。
はじめに
警察から「お子様が警察署にいます。迎えに来てください。」という連絡があった。
このような突然の出来事が起きると、多くの保護者の方は驚きと不安で頭が真っ白になってしまうと思います。
「逮捕されたということ?」
「これからどうなるのだろう?」
「なんでこんなことになったのだろう?」
「学校には知られてしまうのだろうか?」
初めて経験することで、これからどうなるのか、何から考えればよいのかも分からず、不安な気持ちでこのページをご覧になっている方も多いのではないでしょうか。
まず、警察署へ迎えに行き、お子様と一緒に帰宅できるのであれば、少なくともその時点では逮捕されていません。
もっとも、それで事件が終わったわけではありません。その後は、自宅で生活しながら警察や検察の捜査を受ける「在宅事件」として手続が続きます。
このページでは、在宅事件とは何か、取調べや家庭裁判所での手続がどのように進むのか、保護者の方が早い段階から考えておきたい対応についてご説明します。
※なお、学校への連絡については、「少年事件で学校に連絡されることはありますか?」のページをご覧ください。
在宅事件とは
「在宅事件」とは、お子様が逮捕・勾留されることなく、自宅で生活を続けながら警察や検察の捜査、家庭裁判所の調査を受ける事件をいいます。
お子様は学校へ通い、自宅で家族と過ごすなど、普段どおりの生活を送ることはできます。
しかし、在宅事件だからといって事件が終わったわけではありません。警察・検察による捜査が続き、その後は家庭裁判所へ事件が送られ、家庭裁判所調査官による調査や少年審判などの手続へと進んでいきます。
そのため、「逮捕されていないから安心」と考えるのではなく、今後の流れを理解し、適切な対応を進めることが大切です。
在宅事件の流れ
在宅事件は、逮捕・勾留されている事件と異なり、手続を進める上での明確な時間制限がありません。そのため、呼出しの時期や取調べの回数は事件によって異なり、家庭裁判所への送致まで数か月を要することもあります。
もっとも、時間があるからといって、対応を先延ばしにしてよいわけではありません。
警察や検察による捜査が終わると、事件は家庭裁判所へ送致され、家庭裁判所調査官による調査や少年審判などの手続へ進みます。
① 警察・検察による捜査・取調べ
在宅事件では、警察から呼出しを受け、事件について取調べを受けます。また、警察から検察官へ事件が送致された後、必要に応じて検察官から呼び出されることもあります。
取調べでは、事件の経緯や行為の内容、当時の気持ちなどに加え、家族や友人との関係、学校生活、普段の生活状況などについても質問されます。
取調べで少年が話した内容は、「供述調書」という書面にまとめられることがあります。作成された供述調書は家庭裁判所へ送られ、その後の調査や少年審判における重要な資料となります。
供述調書の内容が自分の話したことと異なる場合には、署名・押印をする前に訂正を求めることが重要です。一度署名・押印した供述調書の内容を、後から訂正することは容易ではありません。
また、事件によっては、保護者も警察や検察から呼び出され、家庭環境や少年の普段の生活状況、今後の監督方針などについて事情を聞かれることがあります。
② 家庭裁判所への送致
警察・検察による捜査が終わると、少年事件は原則として家庭裁判所へ送致されます。
成人の刑事事件では、検察官が不起訴と判断することによって手続が終了する場合があります。
これに対し、少年事件では、検察官の段階で事件を終了させるのではなく、原則としてすべての事件を家庭裁判所へ送致する仕組みがとられています。
そのため、逮捕されていない在宅事件であっても、原則として事件は家庭裁判所へ送致されます。
③ 観護措置
在宅事件として家庭裁判所へ送致された場合、そのまま自宅で生活しながら家庭裁判所の調査を受けことが多いです。
もっとも、家庭裁判所が、少年の心身の状況を詳しく調べる必要があるなど、審判を行うために必要があると判断した場合には、在宅事件であっても観護措置が決定されることがあります。
観護措置が決定されると、少年はその時点から少年鑑別所へ収容され、学校や仕事へ通うことができなくなります。収容期間は通常約4週間です。
逮捕・勾留されなかったからといって、その後も身体拘束を受けないことが確定しているわけではありません。
④ 家庭裁判所調査官による調査
家庭裁判所へ事件が送致されると、多くの事件で家庭裁判所調査官による調査が行われます。
観護措置がとられなかった場合には、少年は自宅で生活しながら、家庭裁判所からの呼出しに応じて調査官との面接を受けます。観護措置がとられた場合には、少年鑑別所に収容された状態で調査官との面接を受けます。
調査では、少年だけでなく保護者も面接を受け、事件についての考え、家庭での生活状況、学校生活、交友関係、今後の監督方針などについて確認されます。
調査官による調査結果は、審判を開始する必要があるかどうかや、少年審判において少年にどのような処分が適切かを判断する上で、重要な資料となります。
⑤ 少年審判
家庭裁判所調査官による調査などを踏まえ、家庭裁判所が、審判を開始するのが相当であると判断した場合には、少年審判が開かれます。
少年審判では、裁判官が、調査官による調査結果に加え、少年や保護者の話を聞いた上で、事件を不処分として終了させるのか、保護処分を行うのか、それとも検察官へ送致(逆送)するのかを判断します。
少年審判の手続や処分内容などについては、少年審判のページをご覧ください。
事件後の対応が、その後の手続に大きく影響します
少年事件では、事件の内容や非行事実の重さだけで、その後の処分が決まるわけではありません。
事件後にどのような生活を送り、少年が事件とどのように向き合い、再非行を防ぐためにどのような取組をしてきたかも重要な判断材料となります。
例えば、保護者の方が監督体制を整えること、交友関係や生活環境を見直すこと、必要に応じてカウンセリングなどの支援を受けること、被害者がいる事件では被害弁償や示談に向けた対応を進めることなどが考えられます。
在宅事件では、身体を拘束されていない期間を、事件や今後の生活と向き合うための時間として活用できます。
逮捕されていないからと安心して対応を先延ばしにせず、早い段階から必要な取組を始めることが大切です。
在宅事件でも弁護士への相談が重要です
在宅事件では身体を拘束されていないため、「今すぐ対応しなくても大丈夫だろう」と考え、弁護士への相談を先延ばしにしてしまうことがあります。
しかし、在宅事件でも捜査は続いており、その後は原則として家庭裁判所へ事件が送致されます。また、逮捕・勾留されていない捜査段階では、被疑者国選弁護人は選任されません。
取調べで供述調書が作成された後に、その内容を訂正することは容易ではありません。
また、被害者や学校への対応についても、一度進んでしまうと、後からやり直すことが難しい場合があります。
さらに、事件後の生活や家庭での取組みは、その後の家庭裁判所の判断にも影響します。
もっとも、必要となる対応は、事件の内容や、お子様の性格、家庭環境、学校での状況などによって異なります。
弁護士に相談することで、主に次のような点について、お子様の状況に応じた具体的な助言を受けることができます。
・今後の手続と見通し
・取調べや供述調書への対応
・被害者との示談や学校への対応
・家庭での監督体制や家庭裁判所への対応
当事務所では、お子様の状況やご家庭の事情を丁寧にお伺いし、その事件に応じた対応方針をご提案します。
お子様が警察の捜査を受けることになったらご相談ください。
お子様の状況や今後の見通し、現時点で考えられる対応について分かりやすくご説明いたします。
