少年事件では、警察と検察官の双方が捜査に関わりますが、その役割や権限は同じではありません。
警察は、事件の発生を受けて、少年や関係者から事情を聴いたり、証拠を収集したりするなど、主に捜査の初期段階を担います。
一方、検察官は、警察から事件の送致を受け、必要な捜査を行うほか、逮捕されている少年について勾留などを請求するかどうかを判断し、最終的に事件を家庭裁判所へ送致します。
現在、事件がどの段階にあり、警察・検察官・裁判官・家庭裁判所のうち、誰が何を判断するのかによって、必要となる対応も異なります。
このページでは、少年事件における警察と検察官の役割や権限の違いについて、手続の流れに沿ってご説明します。
警察の役割
警察は、事件の発生を認知すると、非行事実の有無や事件の全体像を明らかにするための捜査を行います。
具体的には、少年本人に対する取調べ、被害者や目撃者などからの事情聴取、犯行現場の確認、防犯カメラ映像やスマートフォンのデータの確認、証拠品の収集などを行います。また、逮捕の必要性があると判断した場合には、少年を逮捕することもあります。
少年が逮捕され、警察が引き続き身柄を拘束する必要があると判断した場合には、少年が身体を拘束された時から原則として48時間以内に、少年の身柄を事件記録や証拠とともに検察官へ送致します。
在宅事件についても、警察は一定の捜査を行った後、原則として事件記録や証拠を検察官へ送致します。もっとも、17歳以下の少年について、警察が罰金以下の刑に当たる事件であると判断した場合には、検察官を経由せず、事件を家庭裁判所へ直接送致します。
警察は、事件の捜査や少年の逮捕を行いますが、裁判官へ勾留を請求したり、少年に対する最終的な処分を決めたりする権限はありません。
検察の役割
検察官は、警察から事件の送致を受けると、事件記録や証拠を確認し、必要な捜査を行います。
少年が逮捕された状態で送致された場合には、検察官は少年から事件について弁解を聴き、原則として、身柄を受け取ってから24時間以内、かつ、身体拘束の開始から72時間以内に、少年の身柄をどのように取り扱うかを判断します。
検察官は、少年を釈放して在宅事件として捜査を続けるほか、引き続き身柄を拘束する必要があると判断した場合には、裁判官に対して勾留又は勾留に代わる観護措置を請求することがあります。また、勾留などを請求せず、少年の身柄を伴ったまま事件を家庭裁判所へ送致することもあります。
在宅事件では、検察官が必要に応じて少年を呼び出して取調べを行うほか、警察に追加の捜査を求めることもあります。
少年事件では、捜査の結果、犯罪の嫌疑があると判断された場合、成人の刑事事件のように検察官の判断で不起訴として手続を終了させるのではなく、原則として事件を家庭裁判所へ送致します。
もっとも、検察官が少年に対する最終的な処分を決めるわけではありません。
少年審判を開くかどうかや、保護観察、少年院送致などの処分を判断するのは家庭裁判所です。
警察官から今後の見通しを説明された場合の注意点
少年事件では、警察官から、
「すぐに帰れると思います。」
「それほど重い処分にはならないと思います。」
などと、今後の見通しについて説明されることがあります。
突然お子様が逮捕され、不安を抱えている中でこのような説明を受けると、「それなら大丈夫なのだろう」と安心される保護者の方も少なくありません。
もっとも、警察官から説明される見通しは、その時点の捜査状況に基づくものであり、その後の身柄や処分を決定するものではありません。
事件が検察官へ送致された後は、検察官が、少年を釈放するか、勾留などを請求するかを判断します。
検察官が請求した勾留などを認めるかどうかは最終的に裁判官が判断し、家庭裁判所へ送致された後の処分は家庭裁判所が判断します。
また、その後の捜査によって新たな証拠が見つかったり、関係者の供述が得られたりしたことで、事件の見通しが変わることもあります。
そのため、警察官から見通しを説明された場合でも、その言葉だけで今後の結果を判断したり、弁護士への相談を見送ったりすることはおすすめできません。
現在、事件がどの段階にあり、今後どのような手続が考えられるのかを確認した上で、必要な対応を検討することが大切です。
少年事件でお困りの際はご相談ください
警察から説明を受けても、お子様が今後どうなるのか分からず、不安を感じることもあると思います。
当事務所では、事件が現在どの段階にあり、今後どのような手続が考えられるのか、
今からどのような対応ができるのかを分かりやすくご説明します。
