お子様が児童ポルノ事件に関わり、
「警察から、子どもが同級生に裸の写真を送るよう求めていたと連絡を受けた」
「子どもが交際相手から削除を求められた性的な画像や動画を消さなかったとして、警察に相談された」
「子どもが同級生の性的な画像を友人に送り、学校内で拡散されてしまった」
「被害者の保護者が強く怒っており、どのように対応すればよいか分からない」
「学校でも問題になっており、退学になってしまうのではないか」
など、不安に感じている保護者の方も多いと思います。
少年の児童ポルノ事件では、被害者への謝罪や被害弁償・示談への対応に加えて、実際にどのような行為をしたのかを正確に整理し、再び同じことをしないための取組みを進めることが重要です。
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少年事件では成人事件とは異なる対応が必要です
成人事件と少年事件では、制度や手続がそもそも異なるため、成人の刑事事件で行われる弁護活動が、そのまま少年事件にも妥当するわけではありません。
少年事件では、少年事件特有の考え方を踏まえて対応することが非常に重要です。
少年の児童ポルノ事件は身近なところで起こります
「児童ポルノ事件」と聞くと、見知らぬ幼い子どもの性的な画像を集めたり、インターネット上でそのような画像を入手したりするような、少し歪んだ性癖に基づく事件をイメージされる方もいるかもしれません。
しかし、少年の児童ポルノ事件は、必ずしも少年の日常生活とかけ離れた特殊な事件ではありません。
同級生や交際相手など身近な相手との関係や、日常的に使用しているスマートフォンやSNSなどをきっかけとして、児童ポルノ事件に発展することがあります。
同級生や交際相手が被害者となることがあります
少年の児童ポルノ事件では、同級生や交際相手、元交際相手など、少年にとって身近な相手が被害者となることがあります。
例えば、
「同級生に裸の写真を撮影して送るよう求めた」
「交際相手との性行為を撮影し、その動画を削除してほしいと言われた後も保存していた」
「交際相手から送られてきた性的な画像を友人に送った」
といった行為から、警察の捜査に発展することがあります。
児童ポルノ禁止法では、18歳未満の者を「児童」としているため、少年本人も相手も中学生や高校生であったり、交際関係にあったりしたとしても、性的な画像や動画の撮影、保存、提供などが児童ポルノ事件として問題となることがあります。
スマートフォンやSNSから事件に発展することがあります
現在では、スマートフォンやSNSなどの交流アプリ、画像や動画を簡単に送信・共有できるサービスが、少年にとって非常に身近なものとなっています。
そのため、最初は同級生や交際相手との間だけでやり取りされていた性的な画像や動画が、友人に送られたり、グループチャットで共有されたりして、さらに拡散してしまうことがあります。
生成AIで同級生などの性的な画像を作る「性的ディープフェイク」も問題となっています
近年では、生成AIや画像加工アプリなどを使い、実在する同級生などの顔写真と裸体などの画像を組み合わせて、本人が実際には撮影していない性的な画像を作成するケースもあります。
例えば、同級生の顔写真を使って性的な画像を作成し、その画像を友人に送ったり、グループチャットやSNSなどで共有したりするケースです。
少年本人としては、「AIで作った偽物だから問題ない」、「実際に裸を撮影したわけではない」、「友達同士でふざけて作っただけ」と考えていることもあります。
しかし、その画像の作成方法や内容、他人への共有の有無などによっては、児童ポルノ禁止法をはじめとする犯罪が問題となる場合もあります。
そのため、「AIで作った画像だから犯罪にはならない」と一律に考えることはできません。どの写真を利用し、どのような方法で画像を作成したのか、その画像を誰かに送ったのかなど、具体的な事実関係を確認する必要があります。
どのような行為が犯罪となるのか
児童ポルノ禁止法では、18歳未満の者を「児童」としています。
児童ポルノとは、児童が性交等をしている姿、性器等に触れるなどの性的な行為をしている姿、裸などで性的な部位が殊更に露出・強調されている姿などを撮影した画像や動画をいいます。
このような児童ポルノを所持・保管したり、撮影・製造したり、他の人に送ったりする行為などが処罰の対象となります。
なお、性的な画像や動画については、撮影の方法や相手の年齢などによって、児童ポルノ禁止法以外の犯罪が問題となる場合もあります。
所持・保管した場合
自己の性的好奇心を満たす目的で児童ポルノを所持したり、スマートフォンなどに画像や動画のデータを保管したりする行為は、処罰の対象となります。
もっとも、児童ポルノに該当する画像や動画が送られてきたというだけで、直ちに犯罪が成立するわけではありません。
どのような経緯で画像や動画を入手したのか、少年がその内容を認識していたのか、どのような目的で保管していたのかなどを確認する必要があります。
撮影したり、相手に撮影させたりした場合
児童ポルノに該当する画像や動画を自ら撮影する行為は、児童ポルノの製造として処罰の対象となる場合があります。
また、自分で撮影した場合だけでなく、同級生や交際相手などに裸の写真等を撮影するよう求め、相手自身に撮影させて送信させた場合にも、児童ポルノ製造が問題となることがあります。
そのため、「自分で撮影したわけではない」という場合であっても、相手にどのような要求をし、どのような経緯で画像や動画が送られてきたのかを確認することが重要です。
他の人に送った場合
児童ポルノを他人に提供する行為も処罰の対象となります。
自分で撮影した画像や動画でなくても、友人から送られてきたものを別の友人に転送したり、グループチャットなどで共有したりすれば、児童ポルノの提供が問題となることがあります。
少年本人としては、「友達に回しただけ」、「仲間内で共有しただけ」という感覚だったとしても、その行為自体が犯罪となる場合があります。
被害者への謝罪・被害弁償、示談への対応が重要です
児童ポルノ事件では、被害者への謝罪や被害弁償、示談に向けた対応を進めることが重要です。
また、少年事件では、被害弁償や示談ができたという結果だけでなく、少年本人が自らの行為によって被害者にどのような被害を与えたのかを理解し、事件について内省を深めていくことも重要です。
被害者本人や保護者の意向に配慮して示談を進めます
少年の児童ポルノ事件では、被害者も未成年であることが多く、被害者本人だけでなく、その保護者も強い怒りや不安を感じていることがあります。
このような状況で、少年本人やその保護者から直接被害者側に連絡をすると、かえって被害者側の負担を大きくしたり、感情的な対立を深めたりすることがあります。
そのため、直接謝罪したいというお気持ちは大切ですが、弁護士を通じて、被害者本人や保護者の意向に配慮しながら、謝罪や被害弁償、示談に向けた対応を進めていくことが重要になります。
また、性的な画像や動画に関する事件では、画像や動画が削除されているのか、現在どのような範囲で共有されているのかなどについて、被害者側が強い不安を抱えていることもあります。
当事務所では、事件の内容や被害者側の意向を確認しながら、こうした不安にも配慮して、謝罪や被害弁償、示談に向けた対応を進めます。
被害者や保護者が感じる不安や苦痛を深く理解することが重要です
児童ポルノ事件では、被害者の裸や性行為など、他人には見られたくない非常に私的な姿が画像や動画として記録されていることがあります。
画像や動画によっては、被害者の顔まで一緒に写ってしまっており、見る人によっては誰が写っているのか特定できてしまう状態になっていることもあります。
被害者本人からすれば、そのような画像や動画が自分の知らないところで保存されているだけでも、大きな不安や羞恥心を感じることがあります。
さらに、今の世の中では、画像や動画が一度他の人に送られれば、コピーされたり、さらに別の人へ転送されたりする可能性があります。被害者としては、「誰が自分の画像を持っているのか分からない」、「今も誰かに見られているのではないか」、「これからさらに拡散されるのではないか」という不安を抱え続けることになります。
特に、同級生などの間で画像や動画が共有された場合には、学校に行くこと自体に強い不安を感じるなど、その後の学校生活にも大きな影響を与えることがあります。
被害者の保護者にとっても、自分の子どもの裸や性的な姿が他人のスマートフォンなどに保存され、場合によっては誰かに共有されているという状況は、非常に大きな不安や憤りを感じるものです。
そのため、少年本人には、単に「写真をもらっただけ」、「保存していただけ」、「友達に送っただけ」と考えるのではなく、自分の行為が被害者本人やその保護者にどのような不安や苦痛を与えたのかを具体的に考えてもらう必要があります。
保護者が謝罪や被害弁償を進めたとしても、少年本人がその意味を理解せず、「親が対応してくれた」としか受け止めていなければ、十分に事件と向き合ったとはいえません。
当事務所では、被害者側への対応を進めるだけでなく、少年本人とも事件について話を重ね、なぜ被害者やその保護者が強い怒りや不安を感じているのか、自分の行為によってどのような被害を生じさせたのかについて一緒に考えていきます。
児童ポルノ事件では取調べへの対応も重要です
児童ポルノ事件では、問題となっている画像や動画そのものに加えて、LINEやSNSなどでのやり取りが証拠として残っていることがあります。
もっとも、画像や動画だけで、事件に至った経緯や少年本人の関与の程度まで全て分かるわけではありません。
例えば、相手との間でどのようなやり取りがあったのか、誰が画像や動画の撮影を求めたのか、どのような経緯で画像や動画が送られてきたのか、誰が誰に画像や動画を送ったのかなどについては、少年本人の供述も重要になります。
特に、複数の少年が画像や動画の共有・拡散に関わっている事件では、少年本人がどこから画像を入手し、誰に送ったのか、他の少年とどのようなやり取りをしていたのかなど、事件への関与の程度を正確に整理する必要があります。
また、LINEやSNSの履歴などの客観的な証拠が残っている場合には、その内容と整合しない供述をしたり、記憶が曖昧なことについて断定的に話したりすると、供述全体の信用性にも影響することがあります。
そのため、画像や動画を持っていたことや、友人に送ったこと自体を認めている場合であっても、取調べでは、自分が実際に行ったことや事件への関与の程度を正確に説明することが重要です。
当事務所では、取調べ前に少年本人と打合せを行い、画像や動画の内容、被害者や友人との関係、事件に至った経緯などを確認した上で、取調べへの対応方針を検討します。
取調べ後にも、実際にどのような質問を受け、どのように答えたのかを確認し、次の取調べに向けた準備を行います。
取調べは、一度終わってしまうとやり直しがききません。
警察から取調べを受けることになった場合には、早い段階から弁護士に相談することが重要です。
学校生活への影響についても対応を考える必要があります
少年の児童ポルノ事件では、同級生や同じ学校の生徒が被害者となることが少なくありません。
そのため、被害者本人や保護者から学校に相談されたり、性的な画像や動画が他の生徒にも共有されたことで学校内の問題となったりして、警察から学校への連絡の有無にかかわらず、学校が事件を把握することがあります。
被害者と少年本人が同じ学校に在籍している場合には、少年本人の学校生活だけでなく、被害者が今後も安心して学校生活を送ることができるかという点にも配慮する必要があります。特に、性的な画像や動画が学校内で共有・拡散されている場合には、少年本人と被害者が同じ学校で生活を続けること自体が、被害者にとって大きな心理的負担となることがあります。
こうした事情から、児童ポルノ事件では、停学や退学などの学校処分を避けることだけを目標とするのではなく、被害者との関係や事件後の学校内の状況も踏まえて、少年本人が今後どのような教育環境で生活していくことが適切なのかを考える必要があります。
事件の内容によっては、これまでと同じ学校で学校生活を続けることが難しく、転校や自主退学なども含めて今後の進路を検討することが必要になる場合もあります。
もっとも、学校を離れることだけで問題が解決するわけではありません。少年本人の教育を途切れさせないよう、転校先や進学先、家庭での生活環境などについても併せて考える必要があります。
当事務所では、事件の内容、被害者との関係、学校内での状況などを踏まえながら、少年本人と保護者の方とともに、今後の学校生活や教育環境について検討していきます。
事件への理解を深め、再非行防止に取り組むことが重要です
少年事件では、「反省しています」、「もう二度としません」と話すだけでなく、自分がなぜ事件を起こしたのか、自らの行為にどのような問題があったのかを具体的に考え、再び同じことをしないための取組みを進めることが重要です。
児童ポルノ事件では、少年本人の性的な関心や、同級生・交際相手との関係、スマートフォンやSNSとの関わり方なども踏まえて、事件に至った原因を丁寧に振り返る必要があります。
なぜ事件に至ったのかを具体的に考えることが重要です
児童ポルノ事件では、なぜ相手に性的な画像を求めたのか、なぜ画像や動画を保存していたのか、なぜ他人に送ったのかなど、その少年が事件に至った原因を具体的に掘り下げる必要があります。
例えば、少年本人が、「付き合っていれば問題ないと思っていた」、「相手も嫌がっていなかった」、「画像や動画を撮って送ってくれたということは、相手も納得したのだと思っていた」、「仲間内で回すくらいなら大したことではないと思っていた」などと考えていたのであれば、単にその考えが間違っていたと確認するだけではなく、なぜそのような認識を持つようになったのかまで考える必要があります。
また、なぜ自分の行為が犯罪とされているのか、自分の行為によって被害者にどのような影響が出てしまうのかという点についても見つめ直す必要があります。
相手の意思やプライバシーをどのように尊重するのか、性的な画像や動画を撮影・保存・共有することにどのような問題があるのか、自分の性的な関心と今後どのように付き合っていくのかを、少年本人が具体的に考えていくことが重要です。
性に関する内容だからこそ親子だけでは話しにくいことがあります
事件に至った原因を掘り下げるためには、少年本人の性的な関心や、性的な画像・動画との関わり方などについて話をする必要が生じることがあります。
しかし、「なぜ相手に裸の写真を求めたのか」、「普段どのような性的な画像や動画を見ているのか」、「なぜ性的な画像を保存していたのか」といった内容について、少年本人が保護者に正直に打ち明けることは簡単ではありません。
保護者の方としても、突然このような事件を知らされれば、驚きや怒りを感じることがありますし、性に関するセンシティブな内容について、どこまで踏み込んで聞けばよいのか、どのように少年と話をすればよいのか分からないことも少なくありません。
だからといって、親子で話しにくいことを理由に、事件の原因を十分に確認しないまま「もうしないと約束したから」と終わらせてしまっては、再非行防止にはつながりません。
当事務所では、まず少年本人と十分に話をし、本人が保護者には話しにくい内容も含めて、事件に至った背景を丁寧に確認します。
その上で、少年本人の気持ちにも配慮しながら、再非行を防ぐために保護者にも理解してもらう必要があることや、家庭でどのような対応が必要なのかを整理し、少年本人と保護者の間を調整していきます。
また、保護者の方とも話合いを重ね、スマートフォンやSNSとの関わり方、家庭での見守り方など、その少年が事件に至った原因に応じた再非行防止策を一緒に検討していきます。
少年の児童ポルノ事件では早い段階からの対応が重要です
少年の児童ポルノ事件では、同級生や交際相手など身近な相手との間で事件が起きることもあり、被害者本人や保護者への対応、取調べへの対応、学校生活への影響など、早い段階から考えなければならないことがあります。
また、被害弁償や示談を進めるだけでなく、少年本人が自らの行為によって生じた被害を理解し、なぜ事件に至ったのかを掘り下げ、再び同じことをしないための取組みを進めることも必要です。
警察から連絡を受けた場合や、お子様が児童ポルノ事件に関わっていることが分かった場合には、できるだけ早い段階で今後の対応を整理することが重要です。
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