突然の出来事に、何をすればよいのか分からなくなるのは当然です
ある日突然、お子様が逮捕されたり、警察から呼出しを受けたりすると、多くのご家族は大きな衝撃を受けます。
「この先、子どもはどうなってしまうのだろう。」
「少年院へ行ってしまうのだろうか。」
「学校には知られてしまうのだろうか。」
「子どものために、今何をしてあげればよいのだろう。」
初めて少年事件に直面したご家族であれば、このような不安を抱くのは当然のことです。
実際に、「何から始めればよいのか分からない」、「今すぐ弁護士へ相談すべきかも分からない」というお話を、保護者の方から伺うことも少なくありません。
突然の出来事に頭が真っ白になり、インターネットで情報を調べても、「逮捕」「勾留」「観護措置」「少年審判」など聞き慣れない言葉ばかりが並び、かえって不安が大きくなってしまうこともあります。
そのような中で、何から手を付ければよいのか分からず、時間だけが過ぎてしまうケースも少なくありません。
もっとも、少年事件では、ご家族が不安を抱えている間にも手続は進んでいきます。
だからこそ、まずは現在どのような状況にあり、これからどのような手続が予定されているのか、そして今できることは何かを確認するために、一度弁護士へ相談することをおすすめします。
相談することと依頼することは別です。
まずは状況を整理し、今後の見通しを知ることで、ご家族も落ち着いてお子様を支える準備を始めることができます。
身柄事件では、「今だからできること」があります
少年が逮捕されると、ご家族が状況を整理できないまま手続が進んでいくことも少なくありません。だからこそ、身柄事件では早い段階で状況を把握し、今後を見据えた対応を始めることが重要です。
逮捕後の手続は短期間で進みます
少年が逮捕された後の手続は、年齢や事件の内容によって異なります。
警察から検察官へ送致される事件では、逮捕から勾留請求までの最長72時間の中で、検察官が、少年を釈放するか、裁判官に勾留を請求するかを判断します。勾留が決まると、原則10日間、延長された場合には最大20日間、身体拘束が続く可能性があります。
17歳以下の少年は、家庭裁判所へ直接送致される場合があります
17歳以下の少年について、警察が罰金以下の刑に当たる事件であると判断した場合には、検察官を経由せず、事件が家庭裁判所へ直接送致されます。そのため、事案によっては、逮捕された当日に家庭裁判所へ送致されることもあります。
このように、身柄事件では、勾留や家庭裁判所への送致など、少年のその後を左右する手続が短期間のうちに進んでいきます。
だからこそ、少年事件では、問題が起きてから相談するというよりも、「これから何が起きるのか」、「今できることは何か」を知るために相談することに大きな意味があります。
身体拘束からの解放だけでなく、その後を見据えた準備も必要です
ご家族であれば、
「一日でも早く家へ帰してあげたい。」
と思われるのは当然です。
身体拘束が長引けば、少年本人の精神的な負担はもちろん、学校生活や進路などにも大きな影響が及ぶ可能性があります。
そのため、勾留を避けることや、できるだけ早く身体拘束から解放されることは、少年事件における重要な目標の一つです。
もっとも、少年事件では、釈放されれば終わりというわけではありません。
少年事件は、捜査を終えた後、原則として家庭裁判所へ送致されます。家庭裁判所では、調査官による調査が行われ、その結果を踏まえて、少年審判を開くかどうかが判断されます。
そのため、身柄解放に向けた活動を進める一方で、例えば、
- 保護者による監督体制を整えること
- 事件に至った原因を振り返ること
- 今後の生活環境を見直すこと
- 被害者への対応を進めること
などについても、早い段階から準備を始める必要があります。
特に、勾留されずに早期に家庭裁判所へ送致される場合には、ご家族が想像している以上に早く家庭裁判所の手続が始まることがあります。
だからこそ、身体拘束からの解放だけでなく、その後の少年審判まで見据えて対応を進めることが重要です。
身体拘束中だからこそ、弁護士にできることがあります
身体拘束中は、ご家族だけでは対応できない場面も少なくありません。
逮捕直後から勾留が決まるまでの間は、原則として、保護者の方であっても少年と一般面会をすることができません。
勾留後は、接見禁止が付されていなければ一般面会ができるようになりますが、面会できる曜日や時間、回数は限られています。
「今どんな様子なんだろう。」
「ちゃんと食事はできているのだろうか。」
「一人で不安な思いをしていないだろうか。」
保護者の方にとっても、とてもつらい時間です。
一方で、弁護士は身体拘束中のお子様と接見することができます。
事件について助言をするだけでなく、ご家族から預かった思いを伝えたり、お子様の様子をご家族へお伝えしたりするなど、ご家族とお子様との橋渡し役になることもできます。
突然身体拘束された少年は、大きな不安や孤独を感じています。
そのような時期に、「家族はあなたの味方だよ。」という思いを伝えられることにも、大きな意味があります。
在宅事件でも、「まだ時間がある」とは限りません
逮捕されずに在宅のまま捜査が進んでいる場合でも、決して安心できるわけではありません。
「逮捕されていないから急がなくても大丈夫だろう。」
と考えられる方もいらっしゃいます。
もっとも、在宅事件であっても、警察による取調べや家庭裁判所への送致は進んでいきます。
しかも、その時期が事前に分かるとは限りません。
ある日突然、警察から呼出しがあったり、家庭裁判所から調査や審判の日程について連絡が来たりすることもあります。
その時になって慌てて準備を始めようとしても、十分な時間を確保できないことがあります。
一方で、在宅事件は身体拘束がないため、ご本人やご家族が生活環境を整えたり、少年審判を見据えた準備を進めたりする時間を確保しやすいという特徴があります。
だからこそ、「まだ時間がある」と考えるのではなく、「今のうちにできることを進めておく」という視点が大切です。
早い段階から弁護士へ相談することで、現在の状況や今後の流れを整理しながら、少年審判を見据えて必要な準備を一つずつ進めていくことができます。
取調べを受ける前だからこそ、できることがあります
取調べを受ける前に、対応方針を確認することが大切です
少年事件では、警察による取調べが行われます。
取調べを行う警察官は、日々多くの事件を担当している取調べの専門家です。
大人であっても、慣れない取調べでは緊張し、自分が伝えたいことをうまく話せなくなることがあります。
まして、少年であれば、警察官から質問を受けるだけで萎縮してしまい、その場の雰囲気に流されてしまうことも少なくありません。
取調べでは、自分が経験した事実を正確に話すことが適切な場合もあれば、事件の内容や証拠関係によっては、黙秘権を行使し、供述を控えた方がよい場合もあります。
取調べへの対応は事案ごとに異なるため、少年本人やご家族だけで判断せず、取調べが始まる前に弁護士へ相談し、対応方針を確認しておくことが重要です。
また、例えば、
・答えたくない質問には答えないことができること
・質問の意味が分からなければ、「分かりません」と伝えてよいこと
・覚えていないことを、推測で答える必要はないこと
・自分が話した内容と異なる調書が作成された場合には、訂正を求めることができること
・内容に納得できなければ、訂正を求めたり、署名・押印をしないという選択もできること
などを事前に理解しておくだけでも、落ち着いて取調べに臨みやすくなります。
供述調書は、その後の手続にも影響します
警察で話した内容は、その場限りで終わるものではありません。
取調べで話した内容は、供述調書として書面にまとめられることがあります。
作成された供述調書は事件記録となり、家庭裁判所調査官や裁判官も内容を確認します。
そのため、最初の取調べでどのような供述をしたのかは、その後の手続にも影響する可能性があります。
もちろん、後から説明や訂正をする機会が全くないわけではありません。
しかし、一度作成された供述調書は事件記録として残り続けます。
だからこそ、取調べが始まってから対応を考えるのではなく、始まる前の段階で適切な助言を受けておくことに大きな意味があります。
学校への影響を抑えるためにも、早期の対応が重要です
少年事件では、
「学校に事件を知られてしまうのではないか。」
というご相談を多くいただきます。
特に、
「停学や退学になってしまうのではないか。」
「受験や就職に影響しないだろうか。」
と心配される保護者の方は少なくありません。
もっとも、事件を起こしたことが、必ず学校へ連絡されるわけではありません。
事件の内容や少年の状況によっては、弁護士から警察や関係機関に対し、学校への連絡を控えるように申し入れることを検討できる場合があります。
もちろん、すべての事件で学校への連絡を防げるわけではありませんが、一度学校へ連絡が行われてしまうと、その後に「やはり連絡しないでほしかった」と希望しても、元に戻すことはできません。
だからこそ、学校への影響が心配な場合には、できるだけ早い段階で弁護士へ相談し、どのような対応が考えられるのかを検討することが重要です。
学校への連絡制度や、学校へ連絡が行われる場面などについては、別のページで詳しくご説明していますので、あわせてご覧ください。
少年との信頼関係は、一日では築けません
少年事件では、ご家族を支えることはもちろん、少年本人との信頼関係を築くことも非常に重要です。
少年の中には、初めて会った弁護士に対して、自分の本音や事件に至った経緯をすぐには話せない子もいます。
そのような場合には、事件の話だけを続けるのではなく、学校生活や部活動、好きな漫画やゲーム、音楽などの話もしながら、少しずつ距離を縮めていきます。
面談を重ねる中で、初めて事件の背景にある悩みや、誰にも言えなかった思いを話してくれることがあります。
事件の背景を正しく理解することは、家庭裁判所へ事情を伝えるためだけでなく、その少年に合った環境調整や再非行防止策を考えるためにも重要です。
信頼関係は、一度の接見や面談で築けるものではありません。だからこそ、早い段階から少年と関わり、時間をかけて信頼関係を築いていくことに、早期相談の大きな意味があります。
少年審判では、「これから頑張る」を具体的な取組みで示すことが重要です
言葉だけでなく、具体的な取組みが重要になります
家庭裁判所では、事件の内容だけでなく、少年が事件に至った背景や家庭環境、学校生活、交友関係、保護者の監督状況なども踏まえた上で、今後どのような働きかけが必要なのかが検討されます。
そのため、
「もう二度と事件は起こしません。」
「これからは家族でしっかり見守ります。」
という言葉だけでは、十分とはいえない場合があります。
もちろん、少年本人が反省し、更生しようという気持ちを持つことは大切です。
しかし、家庭裁判所が知りたいのは、その言葉を裏付けるために、実際にどのような取組を始めているのかという点でもあります。
例えば、
- 保護者が監督方法を見直し、家庭内でのルールを整えること
- 少年本人と事件の原因について話し合い、再発防止策を考えること
- 必要に応じて、カウンセリングや医療機関への受診を開始すること
- 交友関係や生活習慣を見直すこと
- 学校や勤務先と今後について話し合うこと
- 被害者がいる事件では、謝罪や被害弁償に向けた対応を進めること
など、事件の内容や少年の状況に応じて様々な取組が考えられます。
少年一人ひとりに応じた環境調整を一緒に考えます
もっとも、これらを形式的に行えばよいというものではありません。
大切なのは、少年がなぜ事件に至ったのかを丁寧に振り返り、その少年に本当に必要な取組みを考えることです。
少年によって、抱えている問題や置かれている環境は異なります。
そのため、必要となる環境調整も一人ひとり異なります。
当事務所では、少年本人やご家族から丁寧にお話を伺い、その少年の状況に応じた環境調整を一緒に考え、少年審判に向けた準備を進めています。
早く相談することで、少年審判までの時間を有効に使うことができます
少年事件では、「早く相談すること」そのものが目的ではありません。
本当に大切なのは、少年審判までの時間を有効に活用し、今の段階だからこそできる準備を一つずつ進めていくことです。
例えば、
- 少年本人との信頼関係を築くこと
- 保護者の監督体制を整えること
- 学校への対応を検討すること
- 被害者対応を進めること
- 必要に応じてカウンセリングや支援につなげること
- 少年審判に向けた資料を準備すること
などは、一日で終わるものではありません。
だからこそ、早い段階から相談することで、少年審判までの限られた時間を有効に使い、一つひとつの取組を積み重ねていくことができます。
一人で抱え込まず、まずは現在の状況を整理しましょう
突然、お子様が少年事件に関わることになれば、保護者の方が不安になるのは当然です。
何をすればよいのか分からず、ご家族だけで抱え込んでしまう方も少なくありません。
しかし、少年事件では、
- 身柄事件なのか在宅事件なのか
- 現在どの段階まで手続が進んでいるのか
- 少年本人はどのような状況にあるのか
によって、今できることは大きく異なります。
また、早い段階だからこそ取り組めることも少なくありません。
だからこそ、まずは現在の状況を整理し、
- これからどのような手続が予定されているのか
- 今の段階で何をしておくことが望ましいのか
を確認することが大切です。
当事務所では、少年事件を取り扱う弁護士が、ご家族のお話を丁寧に伺い、お子様の状況や今後の見通し、現在取り組むべきことについて分かりやすくご説明いたします。
ご相談いただいたからといって、その場でご依頼を決めていただく必要はありません。
まずは現在の状況を整理することから始めませんか。
お子様の状況や今後の見通し、現時点で考えられる対応について分かりやすくご説明いたします。
