お子様が少年鑑別所に収容されると、「面会できるのか」、「何を差し入れられるのか」、「手紙は送れるのか」と心配される保護者の方も多いと思います。
観護措置中であっても、保護者などのご家族は、原則として少年と面会でき、物品の差入れや手紙のやり取りもできます。
ただし、いつでも自由に面会できるわけではありません。面会できる日時や時間、差し入れられる物品などは、法令のほか、各少年鑑別所の運用によって異なります。
このページでは、少年鑑別所での面会・差入れ・手紙のルールや、面会前に確認しておきたいことについてご説明します。
▶ 観護措置とは?
少年鑑別所では家族も面会できます
面会できる人
少年鑑別所法上、保護者や親族から面会の申出があった場合には、原則として面会が認められます。
また、学校の先生や勤務先の方など、少年の修学・就業その他の重要な用務のために面会する必要がある方についても、面会が認められることがあります。
一方、友人や交際相手などは、当然に面会できるわけではありません。少年との関係や面会の必要性、事件との関係などを踏まえて、少年鑑別所が個別に判断します。
面会できるか分からない場合には、事前に少年鑑別所へ問い合わせることをおすすめします。
面会できる日時
面会できる曜日や受付時間は、少年鑑別所ごとに定められています。
多くの少年鑑別所では、平日の執務時間内に面会を受け付けていますが、具体的な受付時間は施設によって異なり、変更されることもあります。
また、少年が心理検査や家庭裁判所調査官との面接、少年審判などに出ている場合には、受付時間内であっても面会できないことがあります。
そのため、面会に行く前に、収容先の少年鑑別所へ電話し、次の事項を確認してください。
- 面会できる曜日と受付時間
- その日に少年と面会できるか
- 面会できる人数
- 必要となる本人確認書類
- 少年との関係を確認する書類が必要か
- 差入れも同時に受け付けてもらえるか
面会時間や回数には制限があります
家族による面会については、面会できる人数、面会場所、面会時間、回数などが制限されることがあります。
また、一般面会では、原則として少年鑑別所の職員による立会い等が行われます。そのため、家族だけで自由に事件について話せる場ではありません。
事件の内容や面会する方と事件との関係などによっては、面会が認められなかったり、会話の内容が制限されたりすることもあります。
面会ではどのようなことに気をつければよいですか?
少年鑑別所で家族と離れて生活している少年にとって、保護者との面会が大きな心の支えになることがあります。
限られた面会時間を一方的に叱るだけで終わらせるのではなく、まずは少年の話に耳を傾け、「家族として一緒に考えていく」という姿勢を伝えることが大切です。
事件について少年と詳しく話す必要がある場合には、あらかじめ付添人である弁護士へ相談することをおすすめします。
少年鑑別所へ差入れはできますか?
観護措置により少年鑑別所に収容されている少年に対しては、保護者などから、現金や一定の物品を差し入れることができます。
ただし、差入品はすべて少年鑑別所の職員による検査を受けます。差入れの可否は、物品の種類だけでなく、素材・形状・数量によっても変わります。
また、少年鑑別所によって取扱いが異なることもあるため、持参したり郵送したりする前に、収容先の少年鑑別所へ確認してください。
差入れできる主な物品と注意点
① 現金
現金を差し入れることは可能です。
もっとも、差し入れた現金が少年にそのまま手渡されるわけではありません。少年鑑別所で預かり、少年が所内で認められた日用品や文房具などを購入する際に使用されます。
物品を直接持参するよりも、現金を差し入れ、必要な物を所内で購入してもらう方が確実な場合もあります。
差し入れられる金額の上限、受付方法、所内で購入できる物品については、少年鑑別所へ確認してください。
② 衣類・下着・靴下
少年鑑別所では、所内で着用する衣類が貸与されるため、私服を自由に差し入れられるとは限りません。
下着、肌着、靴下などは差入れが認められることがありますが、種類、素材、形状、枚数などについて制限される場合があります。
特に、次のような衣類は、安全管理上、受け付けられなかったり、ひもなどを外すよう求められたりすることがあります。
- ひもやゴムひもが付いている衣類
- フードが付いている衣類
- ベルトやサスペンダー
- 金属製の留め具や装飾が付いている衣類
- 大きなファスナーや取り外せる部品が付いている衣類
- ワイヤーなどが入っている衣類
「ゴムが使われている衣類はすべて差入れできない」というわけではありませんが、抜き取ることのできるゴムひもや、引っ張ると長く伸びる構造のものは、制限の対象になる可能性があります。
衣類を持参する場合には、品名だけでなく、ひもや金属部品の有無についても確認してください。
③ タオル・洗面用品・日用品
タオル、石けん、シャンプー、洗顔用品、歯ブラシなどの日用品は、少年鑑別所から貸与・支給されたり、所内で購入できたりすることがあります。
外部から差し入れられる場合でも、タオルの大きさや枚数、容器の形状などが制限されることがあります。
特に、液体が入った容器、チューブ式の製品、スプレー缶、ガラス製の容器などは、そのまま差し入れることが認められない場合があります。
必要な日用品が分からない場合には、先に現金を差し入れ、少年本人に所内で購入してもらえるかを確認する方法もあります。
④ 書籍・教科書・学習教材
小説、漫画、雑誌、教科書、参考書、問題集などは、内容や形状を確認した上で、差入れが認められることがあります。
ただし、次のような点が確認・制限の対象になる可能性があります。
- 一度に差し入れられる冊数
- 書籍の大きさや厚さ
- 書き込みや挟み込みの有無
- ブックカバーやしおりの有無
- CD、DVDその他の付録の有無
- 金属製の部品やひもが付いていないか
学校の教科書や受験勉強に必要な教材を差し入れたい場合には、少年の学年や使用目的も伝えた上で相談するとよいでしょう。
⑤ 写真・書類
家族写真や学校関係の書類などについても、差入れが認められることがあります。
ただし、写真の大きさや枚数、アルバム・台紙・シールなどの装飾の有無によって、取扱いが異なる場合があります。
復学、進学、就職などに関する書類を差し入れる場合には、何のために必要な書類なのかを受付で説明してください。
⑥ 手紙・便箋・封筒
便箋、封筒、切手などは、所内で購入できる場合があります。外部から差し入れる場合には、種類、枚数、形状、シール・装飾の有無などについて、事前に確認してください。
⑦ 食品・飲料
食品や飲料は、腐敗のおそれや衛生管理上の問題があるため、外部から持参した物を少年へ直接渡す取扱いをしていない施設が多いと考えられます。
菓子などについても、家族が持参した物をそのまま少年へ渡すのではなく、所内で購入したり、行事などの際に施設から提供されたりする取扱いがあります。
食品や飲料については、事前の確認なく持参することは避けてください。
⑧ 医薬品・眼鏡・コンタクトレンズ
服用中の薬がある場合でも、保護者の判断で薬を少年へ直接渡すことはできません。
薬の名称、服用量、処方した医療機関などを少年鑑別所へ伝え、お薬手帳や処方内容が分かる資料を提示した上で、施設の医師や職員の判断に従うことになります。
眼鏡は、少年の生活に必要な物として使用が認められることがあります。一方、コンタクトレンズや洗浄液については、衛生面や管理上の理由から制限される可能性があるため、事前に確認してください。
⑨ 文房具・電子機器その他の物品
文房具は、少年鑑別所から貸与されたり、所内で購入できたりすることがあります。
ペン、鉛筆、はさみ、カッターなどは、安全管理上、外部から差し入れた物をそのまま少年が使用できるとは限りません。
また、携帯電話、スマートフォン、充電器、モバイルバッテリー、イヤホン、録音・撮影機器、ゲーム機などの電子機器は、通常、少年に使用させる物品としては認められません。
受け付けられても、すぐに少年へ渡されるとは限りません
差入品が窓口で受け付けられた場合でも、その場ですぐに少年へ渡されるとは限りません。
少年鑑別所による検査の結果、少年が所内で使用できる物だけが交付され、それ以外の物は、退所まで施設で保管されたり、差入人へ返されたりすることがあります。
差入れに行く前に、少なくとも次の点を収容先の少年鑑別所へ確認しておくと、持ち帰りになるのを避けやすくなります。
- 現金の上限額と受付方法
- 差入れできる物品の種類
- 素材や形状に関する制限
- 一度に差し入れられる数量
- 差入れの受付日と受付時間
- 郵送による差入れの可否
- 指定業者から購入しなければならない物品の有無
少年鑑別所に手紙を送ることはできますか?
少年鑑別所に収容されている少年に対して、保護者などが手紙を送ることはできます。また、少年から家族へ手紙を送ることもできます。
ただし、手紙の内容は、原則として少年鑑別所の職員による検査を受けます。
次のような内容が書かれている場合には、手紙の一部が抹消されたり、少年への交付が差し止められたりすることがあります。
- 事件関係者との口裏合わせにつながる内容
- 証拠を隠したり、処分したりするよう求める内容
- 被害者や共犯者などとの接触を促す内容
- 犯罪や非行を助長する内容
- 少年の健全な育成を著しく妨げる内容
- 鑑別や家庭裁判所の調査に支障を生じさせる内容
事件についてどのように説明するか、家庭裁判所調査官の面接で何を話すかなどを、手紙で細かく指示することは控えましょう。
手紙を送る際の注意点
手紙を送る際には、封筒に少年鑑別所の名称・所在地と、少年の氏名を正確に記載します。
少年の収容状況によって宛名の記載方法が指定されることもあるため、送付前に少年鑑別所へ確認すると確実です。
また、次のような物を手紙へ同封する場合には、事前に確認してください。
- 家族写真
- 切手や便箋
- 学校や勤務先に関する書類
- 現金その他の物品
写真の大きさや枚数、シールや装飾の付いた便箋・封筒などについても、制限される場合があります。
手紙は検査を経て少年へ交付されるため、少年の手元に届くまでに時間がかかることがあります。
少年と電話で話すことはできません
観護措置によって少年鑑別所に収容されている少年と、保護者が自由に電話で話すことはできません。
そのため、少年との主な連絡手段は、一般面会と手紙になります。
緊急に少年へ伝える必要がある事情がある場合には、少年鑑別所へ連絡したり、付添人である弁護士を通じて伝えたりすることになります。
付添人である弁護士との面会は、一般面会と異なります
保護者などによる一般面会では、原則として少年鑑別所の職員が立ち会います。また、面会できる日時、時間、回数などにも制限があります。
これに対して、付添人である弁護士と少年との面会には、少年鑑別所の職員は立ち会いません。
そのため、少年は、家族の前では話しにくいことや、事件、家庭、学校、交友関係、今後の生活について考えていることを、弁護士に率直に話すことができます。
弁護士との面会は、一般面会とは異なる取扱いとなっており、一般面会よりも日時や時間の制約が緩やかです。少年鑑別所の管理運営に支障がなければ、通常の執務時間外の面会が認められることもあります。
弁護士は少年と面会して何をするのですか?
弁護士は少年と面会し、主に次のような対応を行います。
- 少年の心身の状態や少年鑑別所での様子を確認する
- 事件について少年の認識や考えを聴き取る
- 家庭裁判所調査官による調査や少年審判の流れを説明する
- 調査官との面接や少年審判に向けた準備を行う
- 被害者への謝罪や被害弁償について少年の考えを確認する
- 非行の原因や、今後改善すべき問題を一緒に考える
- 保護者からのメッセージや家庭の状況を少年へ伝える
- 少年の希望や考えを保護者へ伝える
また、保護者から、家庭での監督体制、復学・進学・就職の見込み、退所後の生活環境などを聴き取り、必要な資料や意見書を家庭裁判所へ提出します。
少年と保護者の間で十分に話ができていない場合には、それぞれの思いや考えを伝え、親子がもう一度同じ方向を向いて歩き始めるための橋渡しをすることも、付添人の大切な役割です。
面会や差入れの前に少年鑑別所へ確認してください
面会や差入れの具体的な取扱いは、少年鑑別所ごとに異なることがあります。
実際に少年鑑別所へ行く前に、電話で次の事項を確認しておくことをおすすめします。
面会について確認すること
- 面会できる人の範囲
- 面会の受付日と受付時間
- 面会に予約が必要か
- 一度に面会できる人数
- 面会時に必要な身分証明書
- 少年との関係を証明する書類が必要か
- その日に少年と面会できるか
差入れについて確認すること
- 差入れの受付日と受付時間
- 差入れできる物品の種類
- 衣類の素材や形状に関する制限
- 一度に差し入れられる数量
- 郵送による差入れの可否
- 現金の上限額と受付方法
- 指定業者から購入しなければならない物品の有無
- 差入人の身分証明書や印鑑が必要か
少年鑑別所の面会受付時間は変更されることもあるため、以前に面会したことがある場合でも、その都度確認する方が確実です。
お子様が少年鑑別所に収容され、今後の手続や対応に不安がある場合には、早めにご相談ください。
お子様が少年鑑別所に収容されたら、ご相談ください。
少年鑑別所に収容されている間にも、家庭裁判所の調査や少年審判に向けた手続は進んでいきます。
弁護士は、少年と立会いなく面会し、家庭環境の調整や少年審判に向けた準備を進めます。
今後の対応に不安がある場合には、早めにご相談ください。
